詐欺師が栄えると 得するのは?
日本という国は、詐欺師に対して、激甘である。
詐欺に遭ってしまったとしても、刑事事件で警察に持ち込んでも、基本、門前払いだ。
「警察は民事不介入」という理由だからだ。
これには、実は、暗黙の基準値というものも、存在している。
個人で 5000万円以下
法人で 5億円以下
これらの場合は、警察が動くには「割に合わない」そうだ。
確かに、警察官、検察官というのは 特殊公務員だ。
公務員の中でも、特殊な分、人件費も高いし、手間、時間をかけるとなれば、
使う経費も 膨大なものになってしまう。
いちいち、一個人の財産など、かまっていられない・・・
というのが、本音のようだ。
で、民事として、裁判になった場合は、どうなるか?
裁判所も、そもそも 面倒くさいことは、やりたくない。
典型的な役人だから、できれば、オートメーションの機械の如く、右から左へ、
さっさと片付けてしまいたい。
どうせ、被害者を救ったところで、実入りが増えるわけがないのだし、
感情を殺して、サイボーグの如く、法律を解釈するのが、良い裁判官とされる。
しかも、裁判官も、抱えている事件を、いかに和解ですませ、判決を減らすか?
事件という書類を、できるだけ掃除することが、彼らの評価でもある。
しかも、裁判所も 上下関係が強いから、正義よりも、
最高裁の意向に逆らわないことが 最優先なのだ。
簡易裁判所など、金額も 140万円あたりが限度だが、手間は大して変わらない。
だから、書類だけで、さっさと却下した方が楽だし、実際にそうしている。
ウサキンも、残念ながら
「司法は死んだ」
と言い切るしか、なかった。
海外絡みなら、治外法権とばかり、もはや やる気のカケラすら、見られないのだ。
ということで、詐欺に遭ってしまった場合、
刑事での警察、民事での裁判所、ともども、
アテにならない、被害者の回復など、望むべくもない、
というのが、冷酷な現実だ。
詐欺師は無法者だから、法律に縛られるのは、まじめな被害者ばかり、となる。
さらに深く 考察してみよう。
詐欺師が、詐欺を働き、被害額が膨らむほど、誰がトクするのか?
もちろん詐欺師は、他人の金を 警察や裁判所に捕まえられずに、まんまと手に出来るから、
えてして豪遊し、散財して 使い込むのが、オチだ。
経済というのは、お金の流れで回るものだ。
お金の流れが多いほど、活気が出てくるし、成長する。
1989年(平成元年) 日本に 画期的な歴史に残る事件が起こった。
そう、消費税の導入である。
この仕組みによって、詐欺師を放置、むしろ、詐欺師がどんどん暗躍してくれたほうが、
国家は ノーリスクで税収が増やせる、という構造が完成した。
詐欺師は、どうせ他人からサギった金、豪遊して、バンバン散財する。
この散財する額には、当然、消費税がかかる。
日本人は、貯蓄傾向が強い国民だから、資産のほとんどが銀行預金だ。
すずめの涙ほどの預金利息から、分離課税20%を取っても、国も地方も、うまみが薄い。
(厳密に言えば、分離課税は、国税、地方税の合計であり、消費税も、分配するから、概念は同じである)
ましてや、年金不安、将来不安で 高齢者が 金庫保管したり、タンス預金に励んでいれば、
さらに税収が 減ってしまう。
資産があるのは高齢者で、詐欺に引っかかりやすいのも高齢者だから、
まさに 最近、流行の オレオレ詐欺、振り込め詐欺は、
お金を使わない高齢者から、散財する詐欺師に金を移動させる、
税収活性化策という側面もあるのだ。
散財する、という お金の出口から 消費税という形で税金が取れる、これこそ
「とりやすいところから取る」
という 税務署の姿勢、性質そのもの、なのである。
この構造、とても根が深く、さらに 地下茎でつながっているようなものなので、
その件に関しては、別項に譲りたい。