自己責任論の国民 ~ 万人の万人に対する戦い
2020年 ウィルスパンデミックで
日本が衰退、滅亡に進んでいる 「本質的な理由」
が あぶりだされた。
分断して 統治せよ!
宗主国が、植民地支配をするために 有効な手法が
まさに 竹中平蔵、小泉内閣あたりから、進められてきた。
やらずボッタクリ政治で、国民個々人の 自己責任論とさせる。
平成の時代、日本で進められてきた 国家滅亡を早める要因だ。
増税のたびに 「福祉に回す」と言い訳をしてきたが、実態は、こんなものだ。
新型コロナ福祉のダークサイド、ネットカフェ難民が追いやられた
「本当の行き先」
東京都は10日、緊急事態宣言を受けて ネットカフェに営業停止を要請したため、
都内では多くの店舗が休店。
いわゆる「ネットカフェ難民」と呼ばれる、住む家を持たず、
ネットカフェなどに寝泊まりする人たちが今、行き場を失って 困っているのをご存知だろうか。
都内でネットカフェなどに寝泊まりしている(いた)人は4000人ほど。
圧倒的に 男性が多いとされているが、なかなか声をあげにくくて
調査などからは漏れてしまう女性も多くいて、特に若い女性が目立つ。
年代別では 30代が最も多く、50代や20代と 各年代に散らばる。
そうした人たちは もともと、正社員で働いていたのに
会社が倒産したり、派遣の雇い止めに遭ったりして、そこにたどり着いた。
そういう事態は 今や、誰にとっても他人事ではないだろう。
劣悪な環境に人を収容
そこで東京都は、その人たちを 一時的にビジネスホテルなどに 無料で宿泊してもらう措置をとると発表し、
やれやれこれで一安心……と思っていたら、実はそうは動いていないんだ
という話を、生活困窮者の支援活動を行っている
一般社団法人『つくろい東京ファンド』の小林美穂子さんから 聞いて、驚いた。
小林さんは スタッフやほかの支援団体の人たちと一緒に、
10日から支援のためにずっと忙しい日々を送っている。
「今、いちばんの問題は ネットカフェから出されて 福祉事務所に助けを求める人たちが、
次々に 無料低額宿泊所に送り込まれていることです。
そこがどういう所かの説明も受けず、
『迎えの車が来てるから、さぁさぁ』と連れていかれ、
契約書にサインをさせられています」
無料低額宿泊所。
聞きなれない言葉だが、小林さんの説明によると、
無料低額宿泊所、通称・無低は、生活保護受給者を中心に受け入れる、施設で、
良心的な施設も いくらかはあるものの、
その多くは、悪名高き「貧困ビジネス」の場になっていることが多いという。
大部屋に ぎっしり二段ベッドを並べたり、6畳ほどの部屋を 3つに区切って
敷きっぱなしの布団に寝かせるだけ といった、
劣悪な環境に人を収容する施設が多く、以前から問題になっている。
「しかも 入居者が 受給された生活保護費のほとんどを持っていかれます。
門限もあり、外出外泊には許可も必要。
場所によっては 長くそこに逗留する 牢名主みたいな人がいて、
小銭やタバコを かすめとられたりもしますし、
弱いものいじめは あたりまえ。
人間トラブルから 死亡事件が起きたこともあります。
一般の人たちは、
こんなところを役所が重宝しているなんて、
とても信じられないでしょうが、
そこに留め置かれ、いつまでも アパートへの転宅を許されない人達が
全国で3万人いるといわれています」
生活保護費のほとんどをむしり取り、自由も制限し、
高齢者が多くて 心身ともに治療が必要な人も 放置される。
これまで何度か ニュースになってきたのに、
現在も 生活困窮者救済の対策として 大手を振ってド真ん中にいる。
福祉のダークサイドだ。
「大雨が降った月曜日、ネットカフェを出た青年が 福祉窓口を訪れて、生活保護の申請をしたんです。
ネットカフェを出てから 2日間、野宿をしたあと だそうです。
すると、何の説明もされないまま、彼は 無低に連れていかれました。
連れていかれた先は 衛生面もひどく、高齢者がたくさんいて 誰もマスクなんてしていない。
咳き込む人も多い中、もちろん相部屋。そして風呂、トイレは共同。
メンタルの問題も抱える青年は 出された食事をひと口も食べられず、
一睡もできずに朝を迎え、私たちにSOSの連絡をしてきました。
しかも 所持金がない彼に 一週間分の昼食だとして 福祉事務所の担当者から渡されたのは、
ウイダーインゼリー2個だったそうです。
こうした例は彼だけではありません」
https://www.jprime.jp/articles/-/17696
東京都の“逃れよう”とする姿勢
それでは 感染防止のために ネットカフェをクローズした意味が 全くない。
東京都は ビジネスホテルを 2000室確保して、
ネットカフェから追い出された人たちを 無償で泊まらせる と発表したのではないか。
そもそも 元から その無低を家として住んでいた高齢の人たちのところへ、
もしや 無症状で感染しているかもしれない新規の若い人たちを送りこむことは、
感染リスクを高める 最悪のやり方だ。
クラスターになりえる。
「そうです。コロナ感染拡大を防止するために ネットカフェへの休業要請が出て、
ネットカフェから出てきたみなさんが 福祉事務所に行くわけですが、逆の結果になっています。
なぜ、そんなことが起きるのかは、東京都が 23区や市の福祉事務所に
『一義的に 無料低額宿泊所を使うべし』という通達をしているからです。
感染拡大を止める気があるんでしょうか?
ビジネスホテルを確保している というのに、そこを使わせない。
意味がわかりません。
相談者からのSOSは 日に日に切迫してきています。
そこで 私たちが 何度も、何度も、何度も同行するわけですが、
この動きを増やせば増やすほどに、感染は拡大します。
そのリスクを 何倍にも膨らませます。
日本の医療にも、経済にも 与える影響は甚大です」
そこで『つくろい東京ファンド』代表の稲葉剛さんが 東京都へ強く抗議し、
16日夜になって 東京都は
「本人とのやり取りにおいて 民間施設(無料低額宿泊所)等が困難と判断した場合は、
ビジネスホテルを使う。民間施設を使う場合も、施設の感染症対策を確認した上で、
可能な限り 個室で対応する」
と新たに発表したそうだ。
しかし、予断は許さない。
“困難と判断した場合は” とか
“可能な限り” とか、
逃れようとする姿勢が 端々から見え、
そこに“無低”がある限り、なんとしてもそれを利用しようとするんじゃないか。
われわれ一般の都民からしたら、なんでそんなことをしたいのか 全く意味がわからない。
福祉事務所とは、いま困ってる人を助けるのが仕事だ と思い込んでいたが、そうじゃないのか?
せっかく泊まってもらうためのビジネスホテルを用意したのに、なんで使わないんだろう?
ただ「やりました」感を出したいだけなのか?
しかも、いざ ビジネスホテルに泊まれても、それは5月6日まで、
それ以降は また無料低額宿泊所へ逆戻りしろ と福祉事務所の窓口担当者は迫るんだという。
あまりに、ひどい話である。
「それならば アパートへ転宅をさせてくださいと話を進めますが、
もう、いちいち闘わなくてはならない不毛さに ウンザリします」
小林さんとスタッフは、すでにクッタクタだ。
家にいなければいけないこの期間、家にいるために取られたネットカフェ休業の措置から、
逆に多くの人が 東京中を駆けずり回らなくなっているなんておかしい。
すみやかに全員を ビジネスホテルに移動させてあげてほしいと強く願う。
https://www.jprime.jp/articles/-/17696?page=2
新型コロナがパンドラの箱を開けた
それでも 小林さんたち支援者たちは 屈しない。
週末には ネットカフェを出た若い女性からのSOSも受けた。
「ネットカフェ暮らしだった若い女性は、前日から何も食べてないというから、ファミレスでご飯を食べてもらいましたが、
『ジュースが飲めるのがうれしい。甘いの久しぶり』って。
『もう 首吊るしかないと思ったんですけど、私も人間なんですかね、生きたいと思ってしまったんです。
それで連絡しました』と言われました。
こんな思いを 若い人にさせていること、こんなことを言わせてしまってることを、
私たち年長者は心底、恥じなくてはいけないと思います。
この過酷な日々が いつか過ぎたら、
日本の人々が 異なる価値観を持ち、これまでと違った形の社会形成を始めてほしい。
そうならなかったら 日本人に希望などありません。
自己責任で 弱者を見捨てることも、生産性で人の価値をはかることも、
弱者同士を争わせる 既得権を持つ者たちが 責められることもなく、
権力や経済力の上に あぐらをかき続けるさまも、ぜんぶ霞んで消えればいい」
本当にそうだ。
この新型コロナウイルスを生き抜くには、自分だけが助かればいい、では成り立たない。
今は 会えない人たちとも 心の手を結び合い、物心共にシェアしていく以外、
この時代を築いていくことは無理だ。
自己責任論は 最も忌むべき敵だと思う。
「コロナ禍を転機に、福祉を正常化させましょう。
今後はネットカフェに暮らすような人が いない社会にしましょうよ」
と、小林さんは言う。
「逆を言えば、新型コロナウィルスが これまで行政が開けようとせず、
私たち支援者も 開けられなかった“パンドラの箱”を開けたんです。
ネットカフェに暮らし、これまで毎日 うつらうつらとしか睡眠は取れず、
医療にもかかれず、節約のためにシャワーも毎日は使わず、
カップラーメンばかり食べながら 足も伸ばせずにいた人たちが、
ふつうに 人間らしい暮らしができるようになれば、禍も福と転じます。
社会は、少し救われる。
もっと早い段階で、支援しなくてはいけなかったことなんです。
行政も、前線にいる都の職員も、福祉事務所のスタッフも いまは大変だと思う。
でも、それは、これまでのツケが 一斉に回ってきただけだから。
もう、後戻りをしてはいけない。
同じ過ちを繰り返したらダメ。
社会も そうした人々をお荷物だと思わないで、
一緒に生きていける未来を模索するようになってくれたらいいです」
災い転じて福となす、にしよう! と必死に頑張る小林さんたちの活動は、
いま、これからどうなるんだろう? と不安におびえる私たちに、
こんな言い方はおかしいかもしれないが、勇気のようなものをくれる。
人のために いま動く人がいる。
それを知るだけで少し安心し、よし、私も頑張ろうと思える。
共に生きる方法を探れる。
なお小林さんたち『つくろい東京ファンド』は ホームページに、“相談受付フォーム”を開設しているのと同時に、
広く寄付金を募っているのでチェックしてほしい。
クレジットカードも使用可能だ。
<取材・文/和田靜香>
https://www.jprime.jp/articles/-/17696?page=3
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