東京都は10日、緊急事態宣言を受けて ネットカフェに営業停止を要請したため、

都内では多くの店舗が休店。

いわゆる「ネットカフェ難民」と呼ばれる、住む家を持たず、

ネットカフェなどに寝泊まりする人たちが今、行き場を失って 困っているのをご存知だろうか。

 都内でネットカフェなどに寝泊まりしている(いた)人は4000人ほど。

圧倒的に 男性が多いとされているが、なかなか声をあげにくくて

調査などからは漏れてしまう女性も多くいて、特に若い女性が目立つ。

年代別では 30代が最も多く、50代や20代と 各年代に散らばる。

そうした人たちは もともと、正社員で働いていたのに

会社が倒産したり、派遣の雇い止めに遭ったりして、そこにたどり着いた。

そういう事態は 今や、誰にとっても他人事ではないだろう。

劣悪な環境に人を収容

そこで東京都は、その人たちを 一時的にビジネスホテルなどに 無料で宿泊してもらう措置をとると発表し、

やれやれこれで一安心……と思っていたら、実はそうは動いていないんだ

という話を、生活困窮者の支援活動を行っている

一般社団法人『つくろい東京ファンド』の小林美穂子さんから 聞いて、驚いた。

小林さんは スタッフやほかの支援団体の人たちと一緒に、

10日から支援のためにずっと忙しい日々を送っている。

一般社団法人『つくろい東京ファンド』の小林美穂子さん

 

「今、いちばんの問題は ネットカフェから出されて 福祉事務所に助けを求める人たちが、

次々に 無料低額宿泊所に送り込まれていることです。

そこがどういう所かの説明も受けず、

『迎えの車が来てるから、さぁさぁ』と連れていかれ、

契約書にサインをさせられています

無料低額宿泊所。

聞きなれない言葉だが、小林さんの説明によると

無料低額宿泊所、通称・無低は、生活保護受給者を中心に受け入れる、施設で、

良心的な施設も いくらかはあるものの、

その多くは、悪名高き「貧困ビジネス」の場になっていることが多いという。

大部屋に ぎっしり二段ベッドを並べたり、6畳ほどの部屋を 3つに区切って

敷きっぱなしの布団に寝かせるだけ といった、

劣悪な環境に人を収容する施設が多く、以前から問題になっている。

「しかも 入居者が 受給された生活保護費のほとんどを持っていかれます。

門限もあり、外出外泊には許可も必要。

所によっては 長くそこに逗留する 牢名主みたいな人がいて、

小銭やタバコを かすめとられたりもしますし、

弱いものいじめは あたりまえ。

人間トラブルから 死亡事件が起きたこともあります。

一般の人たちは、

こんなところを役所が重宝しているなんて、

とても信じられないでしょうが

そこに留め置かれ、いつまでも アパートへの転宅を許されない人達が

全国で3万人いるといわれています」

生活保護費のほとんどをむしり取り、自由も制限し、

高齢者が多くて 心身ともに治療が必要な人も 放置される。

これまで何度か ニュースになってきたのに、

現在も 生活困窮者救済の対策として 大手を振ってド真ん中にいる。

福祉のダークサイドだ。

「大雨が降った月曜日、ネットカフェを出た青年が 福祉窓口を訪れて、生活保護の申請をしたんです。

ネットカフェを出てから 2日間、野宿をしたあと だそうです。

すると、何の説明もされないまま、彼は 無低に連れていかれました。

 連れていかれた先は 衛生面もひどく、高齢者がたくさんいて 誰もマスクなんてしていない。

咳き込む人も多い中、もちろん相部屋。そして風呂、トイレは共同。

メンタルの問題も抱える青年は 出された食事をひと口も食べられず、

一睡もできずに朝を迎え、私たちにSOSの連絡をしてきました。

しかも 所持金がない彼に 一週間分の昼食だとして 福祉事務所の担当者から渡されたのは

ウイダーインゼリー2個だったそうです。

こうした例は彼だけではありません

https://www.jprime.jp/articles/-/17696